街の和菓子屋さんのショーケース。
薄ピンク色でスベスベのお餅のようなお菓子、
見たことありませんか?
「すあま」という妙な名前の餅菓子です。
素朴で食べやすく、お値段もお手軽なので、
見かけると買っておやつにします。
しかし、ある日食べながら思いました。
「すあま」って不思議な名前だな、って。
お菓子屋さんではひらがなで「すあま」もしくは「素甘」
なんて書いてあったりもします。
本当のところ、名前の由来って何なのですか?
どこが発祥の地なのでしょうか?
実は関東発祥の地域限定のお菓子「すあま」。
調べれば調べるほど、なんだか興味深いお菓子でした。
名前の由来や作り方の特徴、類似したお菓子など
知ってると誰かに教えたくなってしまう
「すあま」のこと、ご紹介します!
すあまの名前の由来とは?そもそもどんなお菓子?
主に紅白で統一されてる餅菓子「すあま」。
その色から縁起物として、
贈答やお祝いの配り物として重宝されるお菓子です。
小さい形が多いのは、日持ちがよく、
持ち運びに手軽で旅のお供に、という知恵のようです。
東京の木場が「すあま」発祥の地と言われていますが、
東海道を旅する人達にも親しまれたのではないでしょうか。
その命名の由来は、
米粉と砂糖だけの「薄甘」の味から「すあま」
と名付けられたとか、
中に餡などが入らない甘いお菓子「素甘」から付けた
ともいわれ諸説諸々です。
卵型をしたものもあり、それは「鶴の子餅」などと呼ばれ、
これも長寿の鶴にちなんで縁起物とされています。
似てるけど違うもの!?すあまとういろうの違いとは?
材料が似ているということで「ういろう」と似たもの?
という声も上がるすあまですが、実はその製法が全く違います。
湯で上新粉を練ったあと蒸して砂糖を加え、
熱いうちにお餅のようについて作る「すあま」。
この製法により、甘さ控えめで滑らかな食感に仕上がります。
それに対して「ういろう」は、うるち米粉を水で練り、
砂糖を加えて型に入れてから蒸します。
この作り方ならではの材料の食感が残る甘いういろうは、
神奈川県小田原が起源です。
そこからさらに西へ行くと、
「州浜(すはま)」と呼ばれるお菓子が出現します。
これは青豆が原料で、「すあま」とはだいぶ程遠いお菓子です。
しかし、「すあま」は関東限定お菓子。
関西の人たちは「すあま」を知らないそうで、
「すあま?それは”すはま”の間違えでしょ?」
とよく返されるそうです。
面白いですよね!
まとめ
「すあま」の由来と、類似してると言われるお菓子との違い
についてお伝えしました。
現在と違って、上質のお米もお砂糖も貴重品の時代、
人々にとっては旅やお祝い時のお楽しみ、
として愛されたのではないでしょうか。
そのようなことに思いをはせつつ、
お菓子屋さんに可愛らしく鎮座している「すあま」を見かけたら、
是非お茶のお共にどうぞ。