季節の花や模様を型取った上生菓子の「練り切り」、見ているだけで心が和みますよね。
いただくととても嬉しいけれど、上生菓子はあまり日持ちしないんですよね。
練り切りを一度に食べきれない時、どうやって保存したらいいのでしょうか?
固くならない練り切りの賢い保存方法は、冷凍に限ります!
練り切りを美味しくいただくための冷凍保存と解凍方法についてご紹介します。
なぜ練り切りの保存方法は冷蔵庫はNGなの?
以前、お節句のお祝いに親しいご近所さんから、和菓子の詰め合わせをいただきました。
食べるのがもったいないほど美しい練り切りでした。
家族で1つずつ美味しくいただきましたが、甘いお菓子なので余ってしまいました。
何気なく2日ほど冷蔵庫に無造作に入れておいたら、見事にカチカチに!
練り切りは、もともともち米や芋などのでんぷんをベースに作られているので、乾燥や低温に弱いんです。
炊いたご飯を冷蔵庫に入れておくと、パサパサボソボソになりますよね・・・それと同じ感じです。
さらに練り固めてあるので、水分が飛ぶとカチカチになってしまうんです。
こうなってしまうと、レンジで温めたり蒸しても、冷めるとすぐに固くなるし、手に負えなくなります。
練り切りをはじめとした和菓子は、乾燥してくると途端に固くなるので、常温でも即日食べ切ることとされてきました。
また和菓子全般に言えることですが、作り立ては水分の含有が多く、暖かい場所ではカビやすいものなんですね。
でもご安心を!
実は練り切りは、冷凍保存ができるんです。
マイナス15度以下の冷凍保存では、練り切りの水分を早く閉じ込め、菌の繁殖も止めてくれます。
しっかり密封すれば、家庭用の冷凍庫でも1〜2週間は保存できます。
それ以降は味落ちしますので、美味しいうちに少しずつ取り出して、早めに食べ切りましょう。
練り切りの上手な冷凍の仕方と解凍方法とは?
その後、和菓子は冷凍が良いと聞いて、別の機会には紙の化粧箱ごと冷凍庫へ入れておいたことがあります。
すると、見事に冷凍されて、解凍後も柔らかく戻りはしました。
しかし、箱の内部に霜が降りてしまい、練り切り自体がまだらに乾燥して、かつ、部分的にはベタっとしてしまったんです。
しかも、なんだか冷凍庫に入れておいた他のものの匂いが移ってしまったようでした。。
食べきれずに余ってしまった練り切りは、とにかく乾燥させないように保存するのが第一です。
また、保存の際、香りが薄い練り切りをそのまま冷凍庫に入れると、他の食品の匂い移りを受けます。
和菓子の紙箱はもともと通気性が良いので、そのままだとすぐに固まります。
練り切りが余ったら、まずラップで1つずつぴったりと包むようにしましょう。
作られた当日から翌日までなら、冷蔵庫でもなんとかもちます。
でも、それ以上の期間保存したい場合は、やはり冷凍庫へ入れる方がいいですよ。
また、きれいに飾られた練り切りは、形が崩れるともったいないですよね。
そんな時は、練り切りの高さに合ったタッパーに、間があかないようきつめに並べて、蓋をした上にラップをぐるぐる巻きます。
間があいていると、凍る前に冷凍庫を開けしめして、練り切りが動いて形が崩れる可能性があるからです。
最近は、プラスティックケースに1つずつ入れた練り切りもありますよね。
その時はプラスティックケースごと、ラップでしっかり包みます。
ジッパーバッグがあれば、それに詰めて空気を抜きつつ、ジッパーを閉めれば完璧です。
こうすれば、冷凍の間に霜が降りず、匂い移りも防いで保存ができます。
解凍の時も練り切りの水分キープは大事なポイントです。
練り切りは1つ1つが小さいので、食べる30分前に出しておくと、自然に食べ頃に戻ります。
食べる時間を大方計算して、解凍すると良いですよ。
少し冷たいうちでも美味しいです。
前日から解凍する時は、必ず冷蔵庫に移しましょう。
常温解凍で長時間置くと、練り切りの水分が溶け出し、菌の温床となりカビの原因となります。
ですから、解凍後は必ず即日食べ切りましょう。
一度冷凍して解凍したものが残った場合、再冷凍すると衛生面が心配ですし、風味もキープできないので、再度の冷凍は絶対避けて下さいね。
まとめ
練り切りの上手な冷凍保存とその解凍法についてご紹介しました。
練り切りのおいしさをキープした保存方法は、しっかり密封して冷凍することがベストです。
最近では、老舗の和菓子屋さんの練り切りが冷凍した状態で通販でも買えるようになりましたね。
1つ1つ手作業で作られた練り切り、美味しくいただきたいですよね。
上手な冷凍保存と解凍法、ぜひお試しください!